電気を身近に学ぶホンモノ体験《第2弾》上野ダムと神流川水力発電所で、1日発電所員になる

 

2018年の夏休み、小学3年生から中学2年生まで、23名の子どもたちが群馬県の「東京電力神流川(かんながわ)水力発電所」を舞台に1日発電所員を体験しました。今回の企画は、2018年春休みに東京電力川崎火力発電所で実施した「1日発電所員体験」の第2弾。次の世代を担う子どもたちに、エネルギーをもっと身近なものとして学んでもらおうと、JTB「旅いく」が東京電力ホールディングスの協力を得て実現しました。
神流川発電所は地下500m、東京タワー(高さ333m)も楽々埋まってしまう深さのところに設けられています。そして、「平成名水100選」にも選ばれている神流川をはじめとする豊かな自然を守るためにさまざまな工夫が施され、環境にやさしい発電所でした。  

電力需要のピークを支え、環境にもやさしい揚水式発電

  今回の「1日発電所員体験」は夏休み期間ということもあり、JR高崎駅発着のバスツアープランと上野村現地発着プランにより、大人・子どもの合計47名が参加。同行する東京電力の先輩社員とあわせて、一大イベントとなりました。
エネルギー資源の多くを海外に依存している日本にとって、水力発電は「環境性」を兼ね備えた純国産エネルギーです。さらに、水力発電は素早く運転・停止ができることから、1日の電力需要のピークを支え、電力の安定供給の重要な役割を担っています。
水力発電は河川の流量を利用する流れ込み式と、上下のダムからの水の落下で発電する揚水式の2つがあり、神流川発電所は後者のいわゆる揚水式発電です。神流川発電所を挟んで、上部の「南相木ダム」と下部に位置する「上野ダム」の間の有効落差(653m)を利用して発電しています。
揚水式発電の特長は、一定量の水を繰り返し使用して発電することです。電気使用量が多い時間帯に発電し、発電に使った水は上野ダムにためられます。そして電気使用量の少ない時間帯に上野ダムから南相木ダムにくみ上げられ、再び電気の使用量が多い時間帯の発電に使うという、大きな電池のような発電方式なのです。

チーム力で「五感を使って仕事をしよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京電力の先輩所員と同じホンモノの作業着に着替え、仕事体験は「上野村 森の体験館」でのオリエンテーションからスタート。子どもたちは先輩所員から、電気の種類や水力発電所の役割、発電方法などについて実験を交えながら教えてもらいました。
発電所での仕事は「チーム」で協力し、日々点検作業が行われています。この日、子どもたちも3班にわかれてチームを編成しました。そして、仕事を始めるにあたり、神流川発電所を管轄する東京電力富岡事業所長から、「五感を使って仕事をしよう」というメッセージがおくられ、全員で共有されました。
神流川発電所での仕事は「設備や機械を見る」「水で発電している音をきく」「さわって温度が適切かどうかを確認する」など、まさに五感を駆使しての点検作業の連続です。先輩社員からのメッセージに、子どもたちはこれから挑戦する仕事への期待で、ワクワク感が高まりました。

仕事前の腹ごしらえに『うえのダムカレー』を食す!

 

 

 

 

 

チーム力を発揮するためにはからだに美味しいエネルギー供給も必要。仕事を前に、子どもたちは『うえのダムカレー』を食べ、腹ごしらえしました。オリエンテーションで話のあった上野ダム、南相木ダムをイメージし、2種類のカレーで表現した一皿。オリエンテーションではちょっと緊張気味だった子どもたちも、カレーを食べながら笑みがこぼれていました。

上野ダムを見学。そこへドローン現る!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここから、仕事の現場へ移動です。子どもたちは、無線機をつけ、まず「上野ダム」を見学しました。先輩所員から上野ダムの役割について話を聞いていると、そこへ突然ドローンが! 現在、上野ダムは無人運転で管理されていますが、今後新たな点検手段としてドローンの活用を検討しているそうです。ホンモノのドローンの出現に、子どもたちは大興奮。歓声が上がりました。

 

 

 

 

 

地下500mの地下発電所で発電の瞬間に遭遇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上野ダムをバスで出発し、いよいよ地下500mにある神流川発電所へ。入坑シャッターが開き、長いトンネルを下り、バスを降り立ったところ、空気はひんやり感。トンネル内は真夏でも約18度です。
緊張感も加わって、神流川発電所でのパトロールがスタートしました。
子どもたちに課せられたパトロールのチェックポイントは全部で8つ。班長に続き、3班にわかれて点検作業をすすめていきます。水力発電の運転状態を配管水圧計、電力計、回転数計を実際に見て確認し、オイルクーラーの温度を確かめ、空気がもれていないかも点検しました。
子どもたちが到着したときには、ポンプ水車1台が回っていましたが、パトロール中にもう1台のポンプ水車が回りだす場面に遭遇。ゴーッ! とすごい音を出してポンプ水車が回りだし、わずか5分で発電する瞬間を目の当たりにしました。短時間で発電できる水力発電ならではのしくみを体感。ポンプ水車が回りだす場面に立ち会えるのは、東京電力の先輩社員でもかなりレアなケースだそうです。子どもたちにとっては、とても貴重な体験となりました。
地下500mにぽっかり開いた巨大な空洞で、そのスケール感に子どもたちは圧倒されっぱなしでした。
見て、さわって、においをかいで、耳できいて。五感を使ったパトロールが終わり、ホールに戻った子どもたちは、それぞれのミッションシートを提出。富岡事業所長から合格印をうけて、本日の仕事を完了しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レポート新聞づくりで業務報告

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1日の仕事体験のまとめは「1日発電所員レポート新聞」づくりです。
班ごとに班長を中心に、この日の感想や意見について話し合いました。なかなか意見がでなくて悪戦苦闘の子どもたちの輪に、先輩社員も参加し、新聞づくりのサポートをしました。ちょっと時間がオーバーしましたが、無事全ての班の新聞が完成し、班ごとに発表をしました。
イラストを描いたり、色をつけたり。子どもたちはそれぞれ工夫をして、今日発見したこと、わかったこと、感じたことをまとめていました。初めて会った子どもたちが「チーム」で協力し、作り上げた新聞は、先輩社員にとっても新たな気づきにつながったようです。

今後にむけて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回で2回目となった東京電力「1日発電所員」の仕事体験プログラム。前回同様、ご参加いただいた保護者の皆様からも非常に満足したという感想をいただきました。同時に、プログラム運営に携わった東京電力のスタッフの皆さん、JTB旅いくメンバーも一生懸命、仕事に取り組む子どもたちの姿に元気をもらったようす。また、あらためて「働く意義」を考える機会となり、お互いに学びあうプログラムに進化しました。今回ご参加者の皆様のご意見を踏まえ、これからも「子どもたちの心に残るホンモノ体験」プログラムの提供を続けてまいります。

 神流川(かんながわ)発電所の概要

■所在地:群馬県多野郡上野村・長野県南佐久郡南相木村 。
■特徴:神流川発電所は、上部ダムと下部ダムを水路で結び、高低差を用いて発電する揚水式の水力発電所。地下500mの大きな空間に2機の発電機が設置されており、1台あたりの最大出力は世界最大級。神流川発電所も上野ダムも、通常は無人運転しているという点が大きな特徴。ポンプと水車の両方の役割を果たすポンプランナに世界で初めて水車の羽根が10枚ある「スプリッタランナ」を採用したことにより発電効率が向上し、CO2排出削減にも貢献している。
 ■日常の点検作業:安定した電気を安全に供給するために、発電所内では多くの所員がさまざまな業務に携わっている。例えば稼働中の発電設備では、温度や圧力などの値の傾向を監視し、通常の運転値と比較することによって不具合の早期発見に努めている。この「予兆管理」には日常のパトロール(巡視点検)をはじめ、多くの点検・確認・補修作業が行われている。

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